ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣 ‐ 漫画版

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ファイアーエムブレムぐらい有名なシリーズともなれば、当然メディアミックス展開もされていて、漫画・アニメ・小説・ドラマCDなど、様々な媒体へファイアーエムブレムの名が広がりました。

その中でもとりわけ有名なのは、やはり箱田真紀さんの描く漫画版ではないかと思います。

自分、メディアミックス展開というのは正直それほど惹かれないというか、例えば原作小説のある映画だったらあくまで小説を基準にするような少々面倒くさいタイプの人間でして、どうしても独自の展開に走りがちな二次・三次作品というのは、どこか別の物語としておざなりに捉えてしまうきらいがあります。

しかし、この「箱田版」とも呼ばれる漫画版には思いっきりハマってしまい、もうこれを読むがために「月刊Gファンタジー」を毎月欠かさず購入していたほど。表紙が「魔女っ子戦隊パステリオン」の月なんてかなり買い辛かったのですけれど、それでも買い続けてこれたのはそれだけ執心していたという証でしょう。余談ですが、「セブンス・サガ」「魔神転生」「聖戦記エルナサーガ」「ゼルダの伝説 夢を見る島」あたりも大好きでした。

第1巻の表紙

こちらが第1巻の表紙。
少年誌の作品でありながら、少女漫画と間違えられてもおかしくない絵柄ですよね。連載のスタートはまだ「紋章の謎」が発売する前の話なので、ファミコンの絵柄でしかなかった初代作のキャラクターたちがこのような美麗な転身を遂げるとなると、それだけで先が楽しみになったものです。

さらに、特に初代作では全般的にキャラがあまり喋らない=個性が弱いということもあってか、多くのキャラに独自のアレンジが施されました。代表的な方々を簡単に紹介します。

幼いカイン

カインはちょっと幼い感じ。

前髪パッツンのシーダ

シーダは前髪パッツンでやや天然系。

幼いジュリアン

ジュリアンも幼い。

もっと幼いリカード

リカードはもっと幼い。
巻が進むとさらに幼くなっていきます。

天野喜孝風のニーナ様

初登場時のニーナ様は天野喜孝風。

お笑い組バヌトゥ

バヌトゥは砕けていてお笑い組。
ちなみにこのせいで、ガーネフを含むフードのジジイキャラが全員何か面白いことを言いそうに見えてしまいます。

元気なリンダ

リンダはやたらと元気。

軽いチェイニー

チェイニーが軽いこと。

…とまあ、こんな感じで何人かは箱田流の性格付けが成されています。
なんというか、みな「納得できる範囲」の見事なアレンジですよね。物語自体が戦争物ゆえ、マルスを含む上層部がどうしても真面目になってしまうため、脇役を明るくすることで作品全体が暗い雰囲気になることを見事に回避しているように思います。

そんな中、とある一名だけは「納得できない範囲」の恵まれたアレンジが施されているのをご存知でしょうか?

切れ者風

こちらの御方。
初登場時は敵軍に所属しています。いかにも切れ者風な、あまり敵に回したくない空気を纏っていますね。

嫉妬するジュリアン

とある場面で彼を見かけたジュリアンは、思わず「オレよりいい男」と認めてしまいます。
まあ、ジュリアンが絡む時点で軽いヒントになっているのですが。

慧眼

ジュリアンの不意打ちによって捕らえられるも、彼は臆することもなく、その恐るべき慧眼によってマルスたちの動向をピタリと言い当てます。

軍師

それを聞いて感服したマルスからはこんな一言が。
主役にここまで言わせるその知力。三国志の諸葛亮孔明、太閤立志伝の竹中半兵衛、幻想水滸伝のマッシュとシュウ。物語が物語ならば、これは確実に終盤まで活躍する主要キャラのひとりでしょう。
…ファイアーエムブレムにそんなキャラいましたっけ?

正解は…

私のバカ兄貴なの
( レナさん )

そうです、任天堂公認のバカ兄貴マチスさんでした。

これは大胆なアレンジです。確かに、初代作に限れば特別ふざけたキャラではないものの、だからといって「美形」であり「軍師」ともなると、やはり異常な恵まれ具合と言えます。百歩譲って、イケメンなのはジュリアンを嫉妬させる展開上ありなのかもしれませんが、「ミシェイルに恨まれて無理やり軍に入れられた一兵卒」がなぜ軍師に…。

とはいえ、さすがにその後はポロポロとヘタレ具合を露見させ、また多くの人気キャラの登場に伴って出番は減少、最終的に「輸送隊の隊長」という適材適所に収まりました。
しかし、この登場時のインパクトはかなりのもので、今でも軽い語り草になっているほど。箱田さん、これ狙ってやったのだとしたら感服しますよ。

この「箱田版」のファイアーエムブレム。惜しむらくは完結しきれず、アリティアを奪還したところで終わってしまったということです。そこには月刊誌ゆえのペースの遅さや、いろいろな諸事情があったのだと思います。ストーリーの中盤に「祖国の奪還」という一区切りがあるのも仇になってしまったのかもしれません。

個人的にこんなにのめり込んだゲームのコミカライズはほかに思いつかないので、雑誌掲載でなくともどうにかメディウスの撃破まで描いてくれないものかと今でも思っています。カミュやミシェイルとの決着や、オームの杖をどう絡めてくるかなど、見てみたかったですね…。

ただ、後半突入くらいまでは進んでくれたことで、主要キャラのほぼ全員が登場済みだったのは救いでしょうか。外伝のリュートや第2部のシーマも少しだけ登場しましたし、主要キャラの中で唯一未登場と言えるチキも最終巻の巻末に載っていました。欲を言うなら外伝や第2部のほかの面々も、この箱田さんの絵で見てみたかったものです。

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