光の4戦士 ファイナルファンタジー外伝 レビュー

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いざ、あの頃のRPGへ

機種 ニンテンドーDS
ジャンル RPG
発売元 スクウェア・エニックス
発売日 2009年10月29日
評点   (7点)

レトロゲーマーに照準を定めたファイナルファンタジー。「光の4戦士ってFF3でしょ?」とか「聖剣伝説も外伝じゃなかったっけ?」とか、タイトルからそういう感想を述べれる人こそがまさにターゲットです。

まず驚いたのが、各キャラの名前決定後、開始僅か数秒でもう主人公が動かせること。さらにお城に行くという展開を無視して、丸腰のままフィールドに出て戦闘を行うことも可能です。ああ、確かに昔のRPGってこうでしたよね。スタートでいきなり街とかフィールドにつっ立っているなんてザラでしたよね。

その他にも、個々で所持するアイテム、最低限のメニュー、乏しい会話量、早い展開など、今の時代にほんとにこんなんで大丈夫なの!?と不安に感じてしまうほどのシンプルなシステムは、逆に言えばその有限実行度に賞賛を送りたいとも思えます。

「光の4戦士」ということで、最初のイベントであっという間に4人が揃う展開はある意味王道です。経験値が分配制ではないためパーティーの増加が単純に戦力アップとなるので、さあここから!…と思いきや、直後に半ば決別のような形で二手に分裂。4人から2人に減り、ゲストキャラが加わったりするもののやはり戦局が厳しくなる中、パーティーはなぜかさらに分裂。辛い1人旅。散り散りになったところで今度は別の2人が合流し、やっと立て直したところで再び分裂。辛い1人旅…。

お前ら頼むからまとまって行動してくれ。

と切実に思う展開は前半戦で、再び4人が揃う後半戦に突入してからが本番です。それまでは七つあるそれぞれの街・国を知る前哨戦のようなもの。この七つの街・国がまたそれぞれ独自の雰囲気を醸していて、役割もそれぞれ非常に重要です。ただ、昔のRPGを模すのだったらもうちょっと存在意義のない村や町があっても良かったかも。

また、雰囲気作りの大きなファクターとして、さすがはスクウェアと思わせるほどにBGMが秀逸です。スクウェアの名曲といえば植松伸夫さんや伊藤賢治さんが真っ先に浮かびますが、本作は水田直志さんという初耳の方。しかし前述公式で流れるメインテーマはもちろんのこと、街だったらウルペスやエルバ、戦闘だったら後半ボス、他にはドラゴン搭乗時など、全体的に高いクオリティで安定感があります。

聖母ユニータ

ユニータ

未プレイの方は、この絵を見てどんなキャラクターだと想像するでしょう?
実直そう。気が強そう。おてんばそう。男勝りっぽそう。弱い男に興味なさそう。ツンデレそう。アイレとの主従関係を知っていればアイレに近付く男どもを無言で蹴散らしそう。などなど、その類のイメージを想像するのではないでしょうか。

このキャラはユニータという主要キャラの一人で、要するに光の4戦士の1人なのですが、上記のようなおおよその人が抱くイメージとはかけ離れた性格をしているため、多くの人がプレイ時にそのギャップに驚くことになります。
どのように違うかというと、まず性格がおとなしめでストレスを溜めこむタイプという点に加え、貧乏くじをよく引く要するに不幸キャラ。初登場時がいきなり魔物に囲まれている場面ということに始まり、ブランドとの2人旅では寝ているあいだに置いていかれ、ウルペスで騙されてはジュスカの前にボロボロの服で現れ、さらに再び寝ているあいだ、やっぱりジュスカにも置いていかれてしまいます。
目覚めたあと「なんでブランドもジュスカもだまっていなくなっちゃうの?」と一人呟くユニータ。それでも健気に「ひとりでも私は私の役目をはたそう…!」と耐えうる様は、もう同情なしでは見ていられません。

そんな彼女は「せいしん」の値が一番高いということもあり、大抵白魔道士等の回復役を担当することが多くなります。自分のプレイ時では後半のボス戦は熾烈を極めるので、命綱でもあるユニータには最高級の「ひかり」の防具類を贈呈。ダイダルウェイブやビックバンといった他の仲間を一撃で葬る攻撃を一人耐え、いのる ⇒ アレイズを繰り返す姿はまさに「聖母」。彼女の奮闘のお陰で自分は本作を無事クリアすることができたと言っても過言ではありません。

レトロゲーマーとして歓迎

個人的に残念だったのは、戦闘のテンポが若干悪かったことと、何より豊富に用意されたクラウンのほとんどが使わずにクリア可能だったということ。雑魚戦・ボス戦共々、勇者・白魔道士・詩人ぐらいしか使いませんでした。クラウンのレベルを上げる時に、せめてFF5のような何かしらの恩恵が欲しかったところです。
また、こっちのレベルが上がると敵のレベルが上がるというのも疑問が残ります。グロウエッグの仕様からレベル上げが楽なだけにどんどん上がってしまい、レベル99で挑むことになったラスボスは驚異的な強さでした。こうなるとレベルって何なのでしょう…。

レトロゲーマーを標準にした、という着眼点は素晴らしいものだと思いますが、本当に昔のようなRPGが新作として発売されて良いかと問われればもちろん「NO」というのが現実です。ほどよくレトロ感を織り交ぜながらも、あくまで昨今のクオリティのRPGとして完成させるのは、きっと想像以上の難作業だったことでしょう。結果的に「中途半端」感がなきにしもあらずとなってしまっていますが、致し方ないことだと思います。

とはいえ、いちレトロゲーマーとしてこういう試みはやはり歓迎です。今はまだ初産の苦しみのようなものだと思うので、この流れが絶えませんように。

攻略ページ

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