エストポリス レビュー

スポンサーリンク

二周で一周

機種 ニンテンドーDS
ジャンル アクションRPG
発売元 スクウェア・エニックス
発売日 2010年2月25日
評点   (8点)

スーパーファミコン「エストポリス伝記2」のDSリメイク作品。
これまで数多くのリメイク作品を見てきましたが、ジャンルまでリメイクされるのはあまり例がありません。他にもキャラクターデザインの一新、ストーリーの短縮と変更、科学のような「波動機」の存在でやや近代的になった世界観など、全体的にかなり大胆に手が加えられています。

そんなリメイク具合なので、オリジナル版の経験者からの評判はあまり良いとは言えません。という評判を知った上でプレイしたせいか、同じ経験者でも、自分はかなり楽しめた部類に入ると思います。

まずリメイクの際に立ちはだかるのは、新しいキャラクターデザインを受け入れられるかどうかでしょう。その点今回の場合は、初めて公式を覗いた段階で魅入ってしまうほど無問題でした。マキシムやガデスは今風にカッコよくなっているし、ティアのイメチェンも役割を考えたらこのほうが合っているし、何よりアイリスさんの神秘感が最高です。

アクションに関しても申し分なく、個々の連続攻撃は本当に爽快で、敵をビシバシと斬りつけてから、舞ったお金やデルテを回収するところまで気持ち良くて、このあたりはさすがスクエニと感じさせます。
特に、本作ではチャージアタックのひとつである「フ・レイア」の爽快感たるや凄まじく、一度使うと手放せないほどの魔力がありました。今回もいにしえの洞窟には幾度となく潜りましたが、序盤は青宝箱品を集めるため、やがてはぬしを倒すため、そしてそれ以降は敵のかたまりにこのフ・レイアをぶっ放すのが目的になっていました。

反対に不満部分は、これはよく言われていることですが、シナリオが弱くなってしまったことでしょう。なまじグラフィックや声が入ったせいで、諸所の演出が逆に安っぽくなってしまっているのは確かにあります。他、細かいところでもBGM「地上を救う者」のタイミングがちょっと早い、エンディング後のあの一幕がない、ハイデッカがクジラに乗って現れない、などなど、オリジナル版で印象的だった場面が変更・削除されてしまったのは残念な部分です。

そして本作で気をつけてほしいのは、一周で終えないでということです。
同じくよく挙がる不満点に「ティアの涙のタイミング」があると思いますが、これは2周目の生存エンドを考えるとしょうがなかったとも思えます。そもそも生存エンド自体に疑問の声があったりもするようですけれど、オリジナル版で少なからずいたたまれない気持ちを抱いた身としては、公式に生存エンドが加えられたというのは、ある種の救いのように思うのです。そしてアイリスさんの気持ちも、その後なぜルフィアがマキシムの子孫の前に現れたかということを考慮すると、これが一番綺麗で納得のいく形なのではないかと…。

知名度こそ低いとはいえ、経験者には絶大な人気を誇るまさに「隠れた名作」のリメイク。しかもそれがこんなジャンルを変えるほど大胆なものならば、不満の声が多く挙がるのもある意味仕方のないことでしょう。想い出補正というものもありますし、珠玉の名作であるオリジナル版を超えるというのは、初めから無謀な期待であったのかもしれません。そんな中でも、本作は要点は押さえていたと思うのです。

関連リンク

スポンサーリンク
スポンサーリンク
^