エピカ・ステラ レビュー

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逆オープニング詐欺

機種 プレイステーション
ジャンル シミュレーションRPG
発売元 ヒューマン
発売日 1998年7月30日
評点   (8点)

始めるとすぐに流れる80年代後半の夕方から始まりそうなオープニングに脱力する人は多かれど、それでもどうにかプレイしてみると意外な完成度に驚かされる、まるで逆オープニング詐欺のようなシミュレーションRPG、それが本作「エピカ・ステラ」です。

クレシア大陸に訪れた動乱の時代、王国や帝国をはじめとする八つの勢力が、それぞれ「想機」という全長約8メートルのロボットを駆って争う群像劇。物語は主人公のランディと父カモーシュが剣技の修行をしている最中、村が襲われるところから始まります。

ファンタジー+ロボットという設定は「魔装機神」や「聖霊機ライブレード」を彷彿とさせますが、練り込まれたシステムははっきり言ってそれらよりも上。地形効果や向きの概念といったタクティクス系では一般的なものから、属性の相性、感情を作用させるSES(シンクロナス・エモーション・システム)など気にするべき要素は多く、またレベルアップ時のパラメータが振り分け制であったりと、全体的にプレイヤーのスキルを問う部分が目立ちます。
特にTPという「疲労度」の概念は本作を攻略する上でもっとも早く体得すべき必須項目で、この要素が戦略に一層の幅を持たせ、一体のエースユニットが軽々しく戦局を左右するような展開を許しません。敵のTPをいかにして蓄積させるかなど、このTPの把握が攻略のカギとなります。

上記等の多彩な要素から、コツを掴むまはでそれなりの時間を要します。正直初回プレイは結構な難易度で、特に第3話は大きく立ちはだかることでしょう。とりあえず全員で突っ込めばどうにかなってしまうようなシミュレーションRPGとは、一線を画する戦略性があるのです。

ストーリーは王道そのものと言えますが、八つという勢力をそれぞれ見事に書き分けていて違和感がありません。また基本ストーリーの「王国編」と、主人公のランディが帝国に参加する「帝国編」があり、ルートによって他勢力が違った顔を見せるのも見事。さらに2周目からはギャグテイストを強めた「挫折編」というカオスなルートに行くこともできるなど、遊び心も備えています。

またボイスがないためか、戦闘への切り替えがCD媒体とは思えないほど高速なのも特徴です。個人的にボイスは必須でもなく、またその難易度ゆえにどうしても確率を調整したい場面もあったりするので、この切り替えの速さは本当に助かりました。

不満点としては、ストーリーが各ルートすべて全20話とやや少なめなところ。良質な群像劇を好む身としては別ルートがあるよりも、王道の一本道でいいからもうちょっと各勢力の層を厚くした、全40話くらいのボリュームでやってみたかったとも思います。

総合的に、大変良質な作品でした。もしも手強いシミュレーションRPGを求めて本作にたどり着いたのに、オープニングを見たことで見限ってしまった人がいたとしたら、その人には全力でストップを投げかけたい。隠れた名作とは言い過ぎですが、隠れた秀作として、PSの同ジャンルでは「ライアット・スターズ」並みに人に勧めたい作品です。

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