デュアルオーブ・聖霊珠伝説 レビュー

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一見王道風だけれど…

機種 スーパーファミコン
ジャンル RPG
発売元 アイマックス
発売日 1993年4月16日
評点   (3点)

スーパーファミコン全盛に産み落とされた数多のRPG作品。基本的にはドラゴンクエストを基幹として、世界観を変えてみたり独自のシステム取り入れてみたりの所謂「ドラクエ型」と呼ばれるものが大半を占めました。本作も紛れもなくそんな作品のひとつです。

発売からこれだけ年数が経っているということで、情報がかなり入った上でのプレイとなりました。前評判はつまるところクソゲーとのことだったのですが、そういう先入観を持たされた場合、レトロゲーマーは無理にでも良い部分を見つけ出してプッシュして、涼しい顔で「思ったほど悪くなかったよ」とか「俺は好きだよ」とかサラリと言い放ったりする傾向があるのですけれど、

これは無理だわ。

上から目線のドラゴンに突如世界を救う旅に出させられる冒頭からかなり淡々で、仲間が加わる場面も淡々なら、町の人々も基本一言で淡々です。なまじ早い段階で船が手に入るせいで、こんな淡々のままラストに差し掛かったらどうしよう…と本気で不安に陥りましたが、地下世界に突入するあたりでようやく全体的なテンションが微上昇。このあたりでようやく並のRPGの水準に達します。

特徴的な独自システムは、お買い物が現実と同じようにレジで支払うというなんとも微妙なものや、戦闘のコマンドがちょっと文章では説明し辛いのですがとにかくやっぱり微妙なもの。特にお買い物はそういうシステムなので普通の店では「売る」ということができず、そのため別に質屋が用意されている始末です。小さめの村だと質屋はありません。誰が得するんですかこのシステム。桃太郎伝説ではとっくに廃止されているというのに…。

バランスはファミコン時代に多い「苦行」レベルの代物で、「レベルが上がらない」&「エンカウント率が高い」という代表的コンボに加え、敵が強くなっても獲得経験値が変わらない無常感や、ダンジョンの宝箱の大半が価値のない市販アイテムという精神攻撃もあり、心が折れそうになること請け合いです。
とあるダンジョンでいよいよ本気で心の折れかけた自分は、反動作用でどうにか明鏡止水の境地を体得することができ、当初レベル25ほどで突入したところを倍のレベル50まで上げて挑みなおし、ようやく快適なプレイを手に入れることができました。それだけ通常の精神では耐え難いものがあります。

パッケージの絵は、それ自体はコロコロやボンボンで連載していそうな、これはこれで好きな人にはたまらない、ファンタジーな世界観を見事に表現したものだと思います。
が、残念ながらこの絵は作中にまったく反映されておらず、いくらデフォルメされているからといって、ある程度の雰囲気は表現されていて然るべきのはず。髪の毛の色が違うなんてのはそれ以前の問題ですし、しかもそれが全員違うなんてのは一体何があったのかと激しく問い詰めてみたいところです。金髪にさせられた主人公のラルフはもはやただのアメリカの子供にしか見えません。

地下世界突入以降の展開は、王様に見捨てられたと思っている人々や、六魔将の故郷の村人たちの葛藤など意外に凝った場面もあったのですが、終盤の大一番で再び淡々としてしまい、さらにエンディングで発生した大量のハテナマークに結局ズコーという感じでした。

製作した方々には大変申し訳ないのですが、致命的なバグがあるわけでもないのにこのいたたまれない感覚は、「どういう要素がRPGをつまらなくさせるのか」ということを見事に体言していると思います(大変申し訳ありません)。なまじドット絵や戦闘画面が悪くないせいで、無駄に面白そうに見えてしまうのがハードルを吊り上げているのかもしれません。なんにせよ、挑む方はお覚悟を。

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